ああああああ

何かしらを書くかもしれない

「動物の系統分類と進化」感想

めっちゃ授業面白い先生が紹介してたので図書館で借りて読みました。前半は分類の意義とか方法、後半は分類した集団の特徴解説、という感じで個々の動物について知りたい時も分類全体を学びたい時も役立ちそうな本だし、普通に読んでても面白い大変良い本だと思いました。後半は昆虫(六脚類)、鋏角類(クモ類)とか興味あるとこだけパラパラ読んでいきました。

以下、印象に残った部分まとめ

 

分類と階層的な取り扱いによって人は限られた記憶を節約して用いることができ、知識を整理するのに大変有効な手段となる。

ある基準に基づいた類似によって、似ているものを集団にまとめ、似ていない物の集団とは区別する。そして、集団にも名称を与えていく。

それぞれの集団の共通した性質や、集団間の違いを理解することにより、そこからそれを支える規則が見出されていくこともある。そうしてできた多数の集団間で比較すると、さらに1つ上の段階の類似の集団をつくることができる。

名称と階層は分類学的な方法の根幹をなしている。

 

現在使われているリンネ式階層分類体系の階級は、大きい方から界、門、綱、目、科、属、種、である。ただし、界については六界説、五界説、3ドメイン説など議論が未だ続いている。ちなみに、界の上にドメインがあるという説に基づくと、人間は真核生物ドメイン動物界脊索動物門哺乳綱霊長目ヒト科ヒト属ヒト、であるらしい。さらに亜目とか上科とか族とか色々あるので、これだけ覚えていれば寿限無のように飲み会のネタになること間違いなしである。(要出典)

 

これは、現在の動物の姿を分類したものである、というのは明らかであろうが、ここにチャールズ・ダーウィン大先生の進化論を組み合わせると面白いことが起こる。

ダーウィンの進化論の主張はざっというと

①突然変異により同じ種でも個体差がある

②子は親に似る

③生き残りやすい個体が子供を多く残す

の3つを組み合わせて、生き残りやすい個性を持つ個体が増えていく、というもの。

進化によってある特徴を手に入れることで動物のグループが別れるため、まず「より上の階層で別れているグループはより早い段階で別れた」ことがわかり、さらには「より上の階層での違いはより早い段階で得られた形質だ」ということもわかる。

さて、より早い段階で別れたグループは何が違うか。ここで登場するのがDNAの塩基配列である。

 

親のDNAが複製され(有性生殖の場合はさらに両親のDNAが組み合わされ)子へ受け渡されることで生物の形質は遺伝していく。しかしその複製は必ずしも完全ではなく、10億塩基に1つほどの確率でミスを起こす。そしてそのミスの確率は昔も今も変化しないとされている。DNAの変化のうち子の生存にプラスに働くものは残りやすくマイナスに働くものは残りにくいが、プラスにもマイナスにも働かない変化は同じ確率で残される。(ダーウィンの進化論は大部分正しいと思っていたのですがちょっと下の記事読んだら怪しく思えてきたので進化の話は軽く流しました。興味がある方は下の記事も読んでみてください。)

参考 http://www.voynich.com/evolution/index.html

 

その中立な遺伝子が異なる数が多い種同士は早く別れ、少ない種同士は遅く別れたと言えるのだ。

つまり、形質の差だけでなく、DNAの差によっても生物の分類が行えるのだ。これを分子系統解析と呼ぶ。分子による系統推定は形質によるものと比べ様々な優れた点がある。

①客観性が高い

②形質の変化は複数が同時に変化することが多いが、分子配列の変化はみなが独立だと考えられる

③大量のデータが容易に得られる

④4種のヌクレオチド(アミン、チミン、グアニン、シトシン)または20種のアミノ酸からデータが構成されているため、モデル化がしやすい

⑤時間を推定しやすい(分子時計という言葉もあるほど)

真核生物のDNAを調べる時、核とは独立にDNAを複製して増殖しているミトコンドリア葉緑体のDNAで調べることが多い。たとえばミトコンドリアは1つの細胞に数百〜数千個あり、1つのミトコンドリアは5〜6個のDNAをもつため、核のDNAよりも数が多いという利点もある。

一方、原核生物を分子系統解析する時には、リボソームRNA(rRNA)が使われる。これのおかげで多くの関係が明らかになった。リボソームは、mRNAの遺伝情報を読み取ってタンパク質へと変換する機構である翻訳が行われる場である。大小2つのサブユニットから成り、これらはタンパク質とRNAの複合体である。(wikiより)

 

それから、多細胞生物は単細胞生物が多く集まって生まれたのか、それとも単細胞生物の構造が複雑になって生まれたのか。や、個体の発生は動物の発生を繰り返すのか(反復説)。など、様々な興味深い話がかかれています。

 

みなさんもぜひ1度読まれてはいかがでしょうか。

知識も理解も足りない部分が多いと思いますので間違いなどありましたらお教え頂けると有難いです。